【特別区経験者採用】課題式論文のポイント5選|2024年版

今回は、特別区経験者採用 課題式論文のポイント5選というテーマでお届けしたいと思います。

まず、課題式論文について考えることがどうして重要なのか?このあたりからご案内いたします。

特別区経験者採用試験において、1次試験の合否はすべて論文だけで決まってまいります。その意味で、論文試験で高い評価を獲得していくということは、1次合格を考えたときに非常に重要になってまいります。

そして、もしもこれを見ている皆さん方が面接ちょっと苦手なんだよな…とか、そういった不安を抱いている場合にはなおさら、論文試験であらかじめアドバンテージを確保しておくことはとても重要になりそうですよね。その意味で、やはり論文試験に注力していくということは非常に重要になるわけですけれども。

しかし、初めて特別区経験者採用を受ける方からすると、どういったところがポイントになるんだろう?とか、どういうところを意識すればいいんだろう?とか。こういった不安がやはりあると思うんですね。

ですので今回の記事では、初学の方を対象にしてポイントとなるところ5つをご案内していきたいと思います。この5つをしっかり守るだけでも、課題式論文のクオリティは必ず高まってまいりますのでぜひ聞いていただければと思います。

なお、今回の記事では課題式論文についてご案内してまいりますけれども、次回の記事では特別区経験者採用の職務経験論文で絶対に外してはならないポイントも紹介してまいりますので、ぜひそちらの記事もお待ちいただければと思います。

なお、下記のYouTube動画でも解説を行っているので、併せてご視聴ください。

①序論をしっかり書く

1つ目が、序論をしっかり書くことであります。

論文に関しては様々なスタイルがあろうかと思いますけれども。スタンダードなものの1つとして「序論・本論・結論」というスタイルがあろうかと思います。そこで、一番冒頭で書く内容、序論部分をしっかり書きましょうということです。

どうしてかというと、課題式論文を添削等しておりますと、序論の内容がスカスカであっという間に終わっちゃってるという方が少なくないんですね。それがどうしてダメなのかというと、序論がスカスカということは、ほぼ本論にいきなり入ってしまっているということですよね。

本論では、出題されたテーマについてこういう取組が必要だろうということを書くわけですけれども。そういう取組が必要だろうと書かれても、なぜそれに取り組まなきゃいけないのかというのが書かれていないと、採点者に唐突だなという印象をどうしても与えてしまいますよね。

ですから序論のところでは、皆さん方はしっかりと出されたテーマについての重要性・意義、そういったものについてミチミチとある程度は文章を書かなくてはならないということであります。

課題式論文においては、本論で何を書くのか?というところに受験生は引っ張られがちですけれども。本論で何を書くのかの前段階として、序論でそのテーマがしっかりと重要であるということをクリアに述べられていないと、面接官には必ず唐突だなという印象を与えてしまいます。

そういったことにならないようにしっかりと序論を書く。具体的には、そのテーマの重要性、そのテーマに特別区が取り組む意義、そういったものについてミチミチと書いていただきたいと思います。

ということで 1つ目のポイントは、序論をしっかりと書くということです。

②政策知識を羅列しない

2つ目が、政策知識を羅列しないことであります。これについても、論文の添削をしているとかなりよく見かけるんですけれども。

序論・本論ときて、その本論の部分において、やたらと各区の取組や政策がびっちり書かれている論文が少なくないんですね。でも、それだとどうしてダメなのかというと、特別区の論文というのはクイズ大会じゃあないからです。すなわち、どれくらいの知識を持っているのか?というような知識の総量を競うものではないんですね。

先ほど述べたような、与えられたテーマがどうして重要なのか、そしてそのテーマの課題を解決していくためにどういった取組が必要なのか、その取組が必要なのはなぜなのか、こういった論理展開をしっかりと書けることのほうが明らかに重要になってくるわけです。

もちろん、適宜適切なタイミングで各区の取組について触れていくこと・言及していくこと自体は決して間違いではありません。ですけれども、それだけということになってしまいますと、それはもはや論文というテイをなさなくなってまいります。

ですからぜひ皆さんも、ご自身が本論で書く内容が単に政策知識の羅列になっていないか。このあたりについては注意していただきたいと思います。

ということで2つ目のポイントが、政策知識を羅列しないということであります。

③自分の意見を明示する

3つ目が、自分の意見を明示することであります。自分の意見を明示するってどういうことだよ?と思うかもしれないんですけども。

先ほども少し触れたところではあるんですけれども、特別区における論文というのは知識自慢の大会じゃあなく、皆さん方の意見・考えを紙で表現するものであります。ですから当然そこでは、自分自身の意見・考えというものをしっかり分かりやすく書かなくてはならないんですね。

そんなこと言われても、問題文には別にあなたの意見を述べなさいなんて書いてないけど?そういう風に感じる方もいるかもしれません。確かに、例えば昨年の課題式論文では「図書館機能の充実について」という問題が出題されていますけれども、決して「自分の意見を述べなさい」とは書いていませんよね。

ですけれども論文試験である限り、たとえそこに「あなたの考えを述べなさい」と書いていなかったとしても「あなたの考えを述べてよねということは暗黙の了解になっている・当然のこととして合意されている」そのように捉えるべきだと私は思います。

ですから、ぜひこれを見ている皆さん方は、設問文のところに「あなたの考えを述べなさい」と書かれていなかったとしても、自分で「あなたの考えを述べなさい」と付け加えた上で回答を書いていただきたいと思います。

すなわち、昨年の問題で言えば「図書館機能の充実について」という設問文でしたけれども、実際には「図書館機能の充実についてあなたの考えを述べなさい」という設問文だと思って回答を書いてほしいということですね。

そうなりますと当然、政策知識の羅列だけとか取組を挙げまくるだけというのではなくて、自分自身の考えや意見というのを分かりやすく明示的に書いていくことが必要になってきそうですよね。

その意味では、この「自分の意見を明示する」というのは、先に申し述べた2つ目のポイントである「政策知識を羅列しない」とコインの裏表の関係にあるわけですね。すなわち、政策知識を羅列せずに自分の意見をしっかり書きましょうということであります。

ですから、皆さん方が本論で書く内容について政策知識の羅列だけになっていないかどうか、そして同時に自分の意見をそこにしっかりと表明できているかどうか、この部分についてはしっかりと意識していただきたいと思っています。

ということで3つ目のポイントが、しっかりと自分の意見を明示するということであります。

④スムーズな論理展開

4つ目が、スムーズな論理展開であります。スムーズな論理展開を考えるにあたってはまず、スムーズじゃあない論理展開ってなんだよ?このあたりを考えてみたいと思います。

スムーズじゃない論理展開というのは、端的に申し上げますと「なぜ」が抜け落ちた展開のことであります。

例えば昨年の課題式論文の設問「図書館機能の充実について」をもとに考えていきたいと思うんですけれども。図書館機能の充実について考えたときに本論で書き得る内容としては、例えば「電子書籍化を進めていくこと」が挙げられようかと思います。実際にその線で書いた人もたくさんいたと思うんですけれども。

非常に重要なのが「電子書籍化を進めるべきだ」というのを書いた上で、その後にいきなり細かい取組とか内容について触れているもの。これは間違いなく評価が下がると思います。

どうしてかというと、どうして電子書籍化を進めるべきなのか?ここについての「なぜ」が抜け落ちてしまっているからです。

すなわち、電子書籍化を進めるべきだと言われたって、読み手である採点者からすると「どうしてですか?」とまずは感じるはずですよね。ですから皆さん方は「○○を進めるべきだ」と書いた後に、それがどうして重要なのか?なぜ必要になってくるのか?そういったことについて触れる必要がどうしても出てくるわけです。

先ほどの電子書籍化に関して申し上げるのであれば、「電子書籍化を進めることがどうして重要になってくるのか?」について触れなくてはいけないということですよね。様々なものが理由としては挙げられようかと思いますし、なぜかと答えられようかと思いますけれども。

1つ目には例えば、忙しい社会人の場合にはなかなか図書館に足を運ぶことが難しいケースも多いですよね。その場合に電子書籍化が進んでいたのであれば、社会人であったとしても気軽に本を読めるようになりますよね。

体が不自由な高齢者とか障がい者の方々にとっても、なかなか図書館にアクセスするのは容易ではない。ですから2つ目のポイントとして、身体的な不自由によって図書館にアクセスできない人にとっても、電子書籍化というのは本がより読みやすくなるのでイイじゃないか。こういう風に説明する必要がありそうですよね。

ということで、特に本論の部分において「なぜか」「どうしてかというと」この部分が間に挟み込まれるだけでも、論理展開は相当程度にスムーズなものになってまいります。

ですから、ぜひ皆さん方は本論で書く内容について、どうしてそれをやらなくてはいけないのか・なぜそれをやることがイイことなのか、そういったことについても触れられると内容全体が締まってくると思いますのでぜひ意識してみていただきたいと思います。

ということで4つ目のポイントが、スムーズな論理展開ということでありました。

⑤各項目のバランス

5つ目が、各項目のバランスであります。

ここで各項目のバランスといったときには、主に2つの意味合いがございます。1つ目は「序論本結論のバランス」であります。

典型的にイメージしていただきたいのは、例えば序論と本論の内容がスカスカなのに、結論の部分だけがやたら大量に書かれているようなものをイメージしていただきたいんですけれども。

要するに、あまり政策研究をしていないとか自分なりにそのテーマについて考えたことがないということになりますと、序論と本論で書ける内容がほとんどなくなってしまいますよね。

でも何とかして1200字には到達させなくてはいけないとなると、やたら結論の部分をダラダラ引き伸ばして書いてしまうということになりがちなんですよ。

でもこうなりますと、明らかに構成としてはいびつなものになってきますよね。序論と本論がちょびっとしか書かれていなくて、結論だけやたら引き伸ばしてたくさん書いたものになりますと、パッと見たときにうーんと採点者は間違いなくなってしまうと思います。

ですからぜひ皆さん方は、序論・本論・結論のそれぞれがある程度バランスの良い形になっている状態を目指していただきたいなと思います。これが1つ目ですね。

2つ目が「本論の中でのバランス」であります。課題式論文の本論においては一般的に「こういうことを進めていくべきだろう」というような、ある種の提案について言及することになりますよね。

このときの提案の数として一般的なのが、2つないしは3つというパターンだと思うんですけれども。例えば皆さん方が2つのパターンを採用したとしましょう。

そのときによくありがちなのが、1つ目のものについてはかなりボリューミーに書いているのに、2つ目のものはものすごくチョミリとしか書かれていないパターン、すごく多いんですよね。

でもこうなると何が問題なのかといったときに、採点者がそれをパッと見たときに、2つ目については書く内容がなかったのかなとか、ここについてはあまり準備してなかったのかなとか、そういった印象をやっぱり抱いてしまいますよね。

すなわち、1つ目と2つ目のバランスが崩れている結果として、どうしても採点者からするとうーんという風な印象を持ってしまう、と。ですからぜひ皆さん方は、序論・本論・結論のバランスだけではなくて、本論の中における提案のバランスも意識してみていただきたいと思っています。

ということで最後の5つ目はバランスということでありました。

おわりに

ということで、今回の記事では皆さん方に対して、特別区経験者採用試験の課題式論文におけるポイント5つをご案内しました。この5つを強烈に意識した上でしっかりと実践することができれば、皆さん方の論文の評価は間違いなく劇的に上昇してまいります。

ですので、これから本試験までの間、ご自身なりに論文のトレーニング積んでいかれると思うんですけれども、ぜひ今日申し上げたような5つのポイントをしっかり意識した上でトレーニングに励んでほしいと思います。

今回は皆さん方に対して、課題式論文のポイントをご案内しましたけれども。次回の記事では、特別区経験者採用の職務経験論文のポイントをご案内してまいります。ですので、特別区経験者採用を受験予定の方は、ぜひそちらの記事もお読みいただければと思います。

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この記事の筆者
筒井夢人

【最多合格】のGravity┃社会人採用専門予備校Gravity講師┃元TAC講師┃元公務員┃特別区経験者採用(15位合格・新宿区内定)他多数の合格経験┃このサイトでは特別区経験者採用の対策について発信しています。

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