今回は、特別区経験者採用 論文で予想してないテーマが出てきたら?という題でお届けます。
いよいよ本試験が近づいてきたということで、皆さん方の多くが論文対策に励んでらっしゃることかと思います。
ですけれども、やっぱり受験生の多くが怖い事態として、予想してないテーマが出てきたらどうしよう…というものがあると思うんですね。私も受験生だったので気持ちは非常によく分かります。
というのは、特に職務経験論文の場合には課題式論文と違って、問題が1題与えられたらその1題に絶対に答えなくてはいけません。課題式論文の場合には2題出題されてどちらかを選ぶことができました。だから片方が未知のものだったとしても、もう片方は予想していたものだとか過去問で似たようなものを見たことあるなという場合にはなんとかなるわけです。
ですけれども、職務経験論文の場合にはそういった形で選択するという余地そのものがありません。ですから、たとえ予想してないテーマが出てきたとしても何とかして論文を書かなくてはいけない。でも…どうしよう…という思い、お一人おひとりあると思うんですね。
そこで今回は、予想してないテーマが出てきたときに、こういう風に考えてみてはどうか?という私なりの対処方略を皆さん方にご案内したいと思います。
私自身が本試験で職務経験論文を書き上げる際に実際にしていた考え方になりますので、おそらく多くの方にとって参考になろうかと思います。
なお、下記のYouTube動画でも解説を行っているので、併せてご視聴ください。
テーマの「具体化」
予想してないテーマへの対処方略をさっそくご案内していきますけれども。結論から申し上げますと、テーマを「具体化」するということであります。
とはいっても、どういうことだよ?というのがまったく分からないと思います。ここではですね、具体化せよ!ということでもありますので、私自身も皆さん方に対して具体的にご案内していきたいと思います。
おそらくテーマ自体が具体化されていたほうが分かりやすいと思いますので、昨年の職務経験論文のテーマを例に引きながらご案内していきたいと思います。昨年の職務経験論文のテーマは下記のとおりです。
ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた職場での取組について、 あなたのこれまでの職務経験を簡潔に述べてから、その経験を踏まえて採用区分における立場として論じてください。
私思いますには、特に独学の受験生99.9%が「ワーク・ライフ・バランスの実現」は予想してないテーマだったと思うんですね。これを予想できていた独学の受験生は私の観測範囲では人っ子一人おりません。ということで、ほぼ全員、特に独学の人にとっては未知のテーマであったということであります。
じゃあですね、これどう考えていけばいいんだよ?ということなんですけども。まずワーク・ライフ・バランスの実現といったときに、このテーマ抽象度高いなというのは何となくお分かりいただけるでしょうか。つまり、どういうこと?っていうのが少なくとも一発ではなかなか分からないわけです。
じゃあどうしたらいいのかというと、これをドンドン具体の度合いを高めていこうということなんですね。例えば「ワーク・ライフ・バランス」って書かれているけれども具体的にこれってどういうこと?といったときに、これをちょっと掘り下げて考えてみましょう。
ごく直観的に説明しますと、ワーク・ライフ・バランスを具体化していくと「ワーク」と「ライフ」、すなわち私生活とのバランスのことをいってるわけですよね。なんでこんなテーマが出てくるのかといったときに多くの場合、現代日本においてはワークとライフのバランスが取れていないからですよね。
どうなっちゃってんの現状?というのを具体的に考えてみたときに、圧倒的にワークの割合が大きくなっちゃってるわけですよね。本来だったらきちんとバランスが取れているべきなのにそのバランスが取れていない、と。だからこういったテーマがそもそも出てるわけじゃないですか。
それを踏まえて考えてみたときに、じゃあワークとライフのバランスを実現しようっていったら当たり前なんですけれども、今ワークの割合が大きすぎるわけだからいかにしてワークの割合を引き下げるか、すなわち働いている時間を少なくするかを考えていけばいいということになりそうですよね。なるほど確かにそうだ、と。
ところが、ここで1つ問題が出てくるわけですよ。ワークの時間を減らしましたといったときに、当たり前なんですけどただ単に働いている時間を減らしましたという話になっちゃうと、仕事終わらないじゃないですか。
皆さん方一人ひとり仕事が違うと思うので、求められる成果物(アウトプット)は一人ひとり当然違うとは思うんですけれども、何とかしてこの量を終わらせなきゃいけないよなっていう仕事ってやっぱりあると思うんですよ。それを何とかして残業をしながら終わらせている、と。
そんな状況で働いている時間(ワーク)だけをバツンと下げるということになると、単純に仕事終わらないよっていうことになっちゃうじゃないですか。
ということでここまでの話をまとめると、ワーク・ライフ・バランスの実現といったときにはワークの時間を何とかして引き下げなきゃいけないんだけれども、単純に引き下げるということになっちゃうと仕事終わらないよっていう問題が発生しちゃう、と。
じゃあワーク・ライフ・バランスを実現するためにどうすればいいでしょうか?という話になるんですけども。
これ答えはいたってシンプルで、1時間あたりの生産性を高めるしかないですよね。すなわち働いてる時間を減らすんだったら、その代わり1時間あたりでできる仕事の量を増やさなきゃいけないよねという話になってくるわけです。
となると即座に、じゃあ時間あたりの生産性ってどうすれば高められるだろうか?という話になるわけですけれども。
これも答えはいたって簡単でありまして。要するに業務をいかに効率化するかという話になってきますよね。ムダが多かった仕事について業務の効率化を図る。そうなると時間あたりの生産性は明らかに高まりますよね。
時間あたりの生産性が業務効率化によって高まったのであれば、労働時間が短くなったとしてもきちんと今までと同じように成果を出すことができます、アウトプットを出すことができます。こういう話になってきそうですよね。
ということで、何となくお分かりいただけたでしょうか。ここまで我々はワーク・ライフ・バランスという言葉を手がかりにして、これ結局どういうことなんだろう?というのをドンドン具体度を高めてきました。具体度を高めた結果として、ワーク・ライフ・バランスの実現のためには業務の効率化を図ればいいんじゃないのかというところに着地できたわけですよね。
これが具体化せよ!っていう話なんです。すなわちワーク・ライフ・バランスの実現って言われてもどういうこと?ってなりますけれども、具体の度合いをドンドン高めていったり分解していったりすると「これって要するに業務の効率化のことを言ってるんだな」「業務の効率化について書けばいいんだな」という風に道筋が見えてくるわけですよね。
ここまで来たのであれば、エピソードの紐付けは比較的やりやすいと思うんですよ。ワーク・ライフ・バランスの実現に向けてこんなことをやりましたというのをなかなか言えない人であったとしても、自分の仕事をもっと効率的にやるために例えばこんなことしたなっていうのは、比較的多くの方にとって出てきやすいものだと思うんですよね。間違いなく。
ということで「ちょっと分かんないなこのテーマ」とか「予想してなかったテーマだよ」とか「抽象的だな」という場合には、このようにテーマをドンドン具体化して分解していくことによって「なんだ、要するにそういうことか!」というのがかなり見えてきやすくなる。
そうなったのであれば、その具体に対して分かりやすいエピソードを持ってくることによって対処できるようになる、というのが私の見解であります。
なぜ効果的なのか?
ということで、予想してないテーマが出てきたときにはとにかく具体化せよ!とご案内したわけですけれども。なぜ具体化すると書きやすくなるのか?このあたりについても述べていきたいと思います。
結論から理由をご案内してしまいますと、具体化することによってエピソードの紐づけが簡単になるからであります。ここでは論文ではなくて、ちょっと別の例でこのメカニズムについてご案内したいと思うんですけども。
例えば皆さん方、街中を歩いていてインタビューとか受けたことありませんか?アンケート調査とか何でも結構なんですけども、インタビューとかを受けたことって人によってはあると思うんですよ。
例えば皆さん方がそのインタビューの質問でこういうことを聞かれたらなんとお答えになりますか?「普段どんなものを召し上がってますか?」こういう風に聞かれたら皆さん方どういう風に答えますか?
正直言って、ちょっとこれどう答えたらいいのかなってなりませんか?というのが、「普段」って言われても普段っていつのこと?っていうのが全然分からないじゃないですか。
例えば普段といったときに、仕事の合間に何を食べてるかという意味かな?こういう解釈は十分あり得ますよね。あるいは休日に何を食べてるのか?こういう意味かもしれませんよね。あるいは外食したときにどんなものを食べてるんだろうか?こういう解釈だって当然成り立ってしまうわけですよね。
ということで、どのエピソードを具体的に持ってくればいいのか?というのがその質問だけだと全然分からないわけですよね。
でも、例えば先ほどのインタビューが「皆さん昨日のお昼何食べました?」だったらたぶんスパッと回答できると思うんですよ。「昨日のお昼ご飯はこういうものを食べましたよ」って答えやすいと思うんですよね。
それはどうしてですか?さっきの質問は全然答えられなかったのに、今回の質問のほうが答えやすいなって感じるのはどうしてですか?それは質問の内容自体が具体化されていて、どのエピソードを持ってくればいいのか、どの話を切り取ってくればいいのかが容易に分かるからですよね。
ということで、何となくお分かりいただけたでしょうか。すなわち問いかけ自体が具体的であればあるほど、どのエピソードを持ってくればいいのか?という部分の紐付けが簡単になるんですよね。
裏返しますと、問いかけ自体が抽象的であるとか問いかけ自体を具体のレベルで分かっていない場合には、どのエピソードを持ってくればいいのか?どの話を紐付ければいいのか?というのは絶対に分からないんですよ。だから具体化することが大切なんですよね。
すなわちたとえ予想してないテーマだったとしても、これって具体的にはどういうことなのか?というのが分かれば、あっこういうことか!じゃあこれを持ってくればいいなっていう紐づけが簡単になるんじゃないかということであります。
ということで今ご案内したように、皆さん方にどうして具体化してほしいのかといえば、具体化することによってどのエピソードを持ってくればいいのかの紐づけがよりスムーズになるからということであります。
おわりに
ということで今回の記事では、特別区の職務経験論文において予想してないテーマが出てきたときにはとにかく具体化せよ!とご案内しました。
この考え方は本試験で確実に役に立つ考え方だと思いますので、ぜひこれを読んでいる皆さん方全員にしっかりとマスターしておいてほしいと思います。
繰り返しになりますけれども、特別区経験者採用の1次試験の合否はすべて論文試験で決まります。その意味で、職務経験論文でしっかりとした内容を書くというのは合否に直接関わってまいりますので、ぜひ今回の記事を参考にしながら皆さん方なりにトレーニングを続けていただきたいと思います。
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