今回は【別区経験者採用】採用漏れはありますか?というテーマでお届けしたいと思います。
まずは、今回のテーマの核となる「採用漏れ」ってそもそも何ですか?という話から入りたいと思います。
それでは早速参りましょう。
なお、下記のYouTube動画でも解説を行っているので、併せてご視聴ください。
採用漏れとは
「採用漏れ」というのは、端的に申し上げると、特別区に最終合格したにもかかわらず各区から内定を得られなかった状態のことを称します。
どういうことだよ?と。最終合格したらどこかの区で働けるんじゃないの?とお考えの方もいると思うんですよ。ですけれども、実はそうではないんですね。
どういうことかを説明するために、特別区採用試験のプロセスについてご案内します。
まず、これを見ている皆さん方は、例えば来年の特別区経験者採用試験受験を考えている方かもしれません。そのときに、まず皆さんはいくつかの試験のプロセスを経て、最終合格をしていくことになるんですけれども。
1つ目は、第1次試験です。これは何かと申しますと、筆記試験が課されるわけですね。内容的には、教養試験+論文試験の2つが第1次試験の筆記試験で課されることになります。
ここを通過した人たち、すなわち第1次試験に合格した方々だけが、2つ目の第2次試験に進みます。専門用語で称しますと「人事委員会面接」などと言うんですけれども、面接試験を受けることになります。
面接試験も突破すると、晴れて最終合格という形になってくるんですけれども。実は最終合格した段階では、まだ皆さん方は各区で働けるというわけではないんです。
最終合格した後に、ある種第3の関門、一番最後のプロセスとして「区面接」というイベントが行われます。これは何かと申しますと、最終合格者だけが各区から「ウチの区で面接受けませんか?」と連絡を受けることになるんですね。
その区に行って面接を受けて「内定」と言われたときに初めて、特別区の職員・その区の職員として働くことができる。そういうプロセスになってるんですね。
ということでもありますので、最終合格しただけでは働けるということにはなってないんですよ。必ず、最終合格した後に行われる区面接で内定を勝ち取らなくてはいけないんですね。
この区面接で内定を勝ち取れなかった状態のことを「採用漏れ」と称します。
実際にあるのか
次の話に移りたいと思うんですけれども。採用漏れというのがどういうものか分かった、と。じゃあ、採用漏れは実際にあるのか?そこが気になってる方もいると思うんですよ。
結論から申し上げますと、採用漏れはございます。
そのように言える理由がいくつか挙げられるんですけれども。ここでは、2つのものを挙げたいと思います。
1つ目が、特別区が公式に認めているからです。特別区採用試験を管轄しているのは、特別区人事委員会という組織なんですけれども、この人事委員会が公式HPで次のような文章を掲載しています。
ただし、欠員状況によっては提示されず、
その結果、採用されない場合もあります。 最終合格が採用内定ではないことにご注意ください。
このように、「採用されない場合もあります」とか「最終合格=採用内定ではないことにご注意ください」とか、公式が採用漏れがあり得ることを認めてるんですよね。
ということで、制度上、採用漏れは十二分にあり得るということがここから明らかなように思います。
2つ目が、採用漏れや区面接落ちの人を実際に観測しているからです。
これに関しては、2022年・2023年、この撮影時点においても、厳密に申し上げますと「区面接で落ちている」という人たちを観測しています。
ですので、特別区が公式に認めているという制度的な観点から、そして私自身が実際に採用漏れになってる人たちを観測しているという実証的観点から。この2つの観点から、採用漏れは現実にあり得ると私どもは考えていますし、皆さん方にもそういう認識をお持ちいただければと思います。
採用動向の変化
実は、このような形で採用漏れが発生し始めたのは、近年に至ってからのことであります。
実は2021年の試験までは、特別区経験者採用試験で採用漏れになったとかそういった人、私は1件も観測したことがございません。実際に観測され始めたのは、2022年からなんですね。
つまり、最近トレンドが変わったという形になっているんですよ。
ですので、これまで通説としては「特別区経験者採用において採用漏れはない」という考え方が支配的でした。ですので、例えばSNSとかいわゆるインターネット上の情報をご覧いただいても、特別区経験者採用では採用漏れはない、と。そういうことを主張しているものがほとんどだと思うんですね。
確かに2021年まではそうだったんですけれども。2022年からは、明らかにこのトレンドに変化が生じています。
2022年に採用漏れは現にあったし、この2023年においても、実際に区面接で落ちてる人たちは何人も確認されています。
これらを考えますと、2024年あるいは2025年のタイミングでも、採用漏れというのは普通に発生してくるのではないかと考えられます。ですので、ぜひ皆さん方にあっては、この採用動向というものが直近でトレンドが変化しているということも、併せて知っておくといいかもしれません。
意識すべきこと
受験生にとってこの採用漏れというのは、考えうる限りでは最悪の事態だと言えると思います。
というのは、最終合格しても採用漏れになってしまった場合には、次の年は特別区経験者採用試験を筆記試験からリスタートする必要が出てくるんですね。
せっかく1次試験を突破して面接試験も突破して最終合格したのに、次の年はまた筆記試験からスタートしなくてはいけないわけですよ。地獄のような状況ですよね。何とかして回避しなくてはならない。
じゃあ、採用漏れという事態を防ぐために受験生はまず何を考えるべきなのか。これは答えはいたってシンプルでありまして。
「可能な限り上位での合格を目指す」この一言に尽きると私は思います。
というのは、実際に採用漏れになった方々を観測してみると、明確な共通点として、最終合格の順位があまりよくないという方々が傾向的にはすごく多いんですよ。
もちろん中には、かなり高い順位だったにもかかわらず、採用漏れになってしまった方も一部存在はします。
ですけれども、傾向的なことを申し上げますと、採用漏れになっている方々の大半は、結構ギリギリで最終合格している方々がとても多いんですね。
一方で、例えば 今年Gravityにおいては、3位合格・8位合格、あるいはそれ以外にも10位代とか、そういった上位合格者を複数名輩出していますけれども。この方々の中で、採用漏れになった方はただの1人もいません。
ということでもありますので、採用漏れを防ぐためには、皆さん方は上位合格を目指すのが最も確実かつ安全な手法だと思います。
ぜひこれを見ている皆さん方は、とりあえずの最終合格とか、ギリギリでの最終合格とかそういったものではなくて、可能な限り高い順位での最終合格を目指して、論文対策そして面接対策どちらも頑張ってほしいと思います。
ということで、今回の記事でお届けしたい内容は以上となります。
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