今回は、特別区経験者採用試験 制度変更のポイント解説というテーマでお届けします。
特別区人事委員会から、経験者採用の試験制度を変更するという発表がありました。端的に言えば、ますます多くの方にとって特別区経験者採用が受けやすくなる変更です。
受験を迷っている方は、この記事で「自分も受けられる」と確認したうえで、積極的に検討してみてください。
勤務時間
1つ目は、勤務時間に関する制度変更です。
特別区経験者採用試験は、その名のとおり職務経験のある方を対象とする採用区分です。そのため、どのくらいの期間働いてきたのか、すなわち業務従事歴・職務経験年数が問われます。
この年数を数える際には、「週あたり○時間以上働いていた期間に限る」という条件が付いています。たとえば週3時間しか働いていない期間は、職務経験としてカウントされません。
従来、この基準は1週間あたり「29時間以上」でした。この部分が緩和されたのです。
具体的には、1週間あたり「20時間以上」働いていれば受験可能になりました。つまり、週の労働時間がそこまで大きくなくても受けられる形に変更されたということです。
たとえば、子育てをしながらフルタイムでは働いていない方は、週の労働時間がそれほど長くないかもしれません。そうした方でも、週20時間以上働いていれば受験できるようになったわけです。条件はかなり緩和されたと言えるでしょう。
業務従事歴
2つ目は、業務従事歴に関する制度変更です。
従来の受験資格では、「少なくとも1つの組織で4年以上の職務経験があること」が求められていました。民間企業でも公的機関でも構いませんが、1つの組織に4年以上勤務している必要があったのです。
たとえば1社目3年、2社目3年、3社目3年と勤めた受験生は、合計で9年間働いていても、1つの組織で4年以上勤めていないために受験できませんでした。
この部分も大幅に緩和され、通算で4年以上勤めていれば受験可能になりました。
「通算」とはどういうことか。1社目で1年、2社目で1年、3社目で1年、4社目で1年と、4社にそれぞれ1年ずつ勤めた受験生を考えてみましょう。
この受験生は1つの組織で4年間勤めていないため、従来の制度では受験できませんでした。しかし現在は通算4年の勤務経験があればよいので、受験が可能になります。
なお、通算できるのは1つの事業所で1年以上従事した期間に限られる点には注意してください。
2〜3年のスパンで転職を重ね、たまたま1つの組織に4年間いた経験がないという方もいるでしょう。そのために受験できず、悔しい思いをした方もいたはずです。
通算4年の勤務経験で受験できるようになったことで、この点でもかなり門戸が広がったと見ています。
専門職
3つ目は、専門職の制度変更です。まずは福祉職から見ていきます。
福祉職は、1次試験が論文試験(福祉論文)のみとなりました。従来は論文に加えて教養試験も課されていましたが、教養試験がなくなったのです。
論文対策だけで1次試験に臨めるようになったため、福祉職の方にとっては受験のハードルが大きく下がりました。
次に、技術職についてです。
技術職は、特定の資格を持っている場合に1次試験の職務経験論文が免除されることになりました。対象となる資格は区分ごとに異なります(土木なら技術士(建設部門)や一級土木施工管理技士、建築なら一級・二級建築士など)。
免除を受けるには申込時に申請と資格証明の提出が必要ですので、詳細は必ず公式の試験案内で確認してください。
多くの受験生が苦戦する職務経験論文が、資格があれば免除される。これは非常に大きな変更です。技術職で受験を迷っている方は、この機会に積極的に検討してみてはいかがでしょうか。
以上が、特別区経験者採用における制度変更のポイントです。これらの内容は、その後に公表された正式な受験案内でも確認できます。受験資格の細かな要件(対象期間や勤務時間の計算方法など)は、年度ごとの試験案内に従ってください。
出典:特別区人事委員会「経験者採用試験・選考【秋試験】のご案内」(令和8年度試験案内PDF)
なお、年齢別の合格可能性については、下記の記事で詳しく解説しています。

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