【特別区経験者採用】1級と2級のどちらを受けるか

【相談内容】

突然のご連絡失礼いたします。
新卒で特別区で4年間働き、その後東京都に転職し現在2年目です。

広域自治体の仕事に興味があり東京都に転職しましたが、実際に東京都で働いてみて特別区の規模や組織の方が自分に合っていて働きやすかったと今更ながら気付きました。
そのため、特別区経験者採用を受けたいと思っています。

以前勤めていた区は流石に採用していただけないと思うので、別の区狙いで受けてみようかと思っているのですが、完全に自己都合のこのような場合も受かる可能性はあるでしょうか。
また今年受けるなら経験者の1級で受けたいと思っているのですが、あと2年東京都で経験を積み2級で受けた方が、面接としては受かりやすいでしょうか。

ただ、1級の方が倍率が低く、来年度以降の採用数は減る可能性もあるため早いうちに受けた方がいいのではないかと考えてしまいます。
お恥ずかしい話で大変恐縮ですが、ご回答いただけますと幸いです。

よろしくお願いいたします。

【はじめに】

なるほど。

この1級職か2級職というところ、おそらくかなり多くの受験生が興味関心をもっているところだと思います。

ですのでこの際、私の見解を述べてみたいと思います。

なお、下記のYouTube動画でも解説を行っているので、併せてご視聴ください。

 

倍率・熱意

で、まず質問文の中にですね、こういう文章がありました。

また、今年受けるなら経験者の1級で受けたいと思っているのですが、あと2年、東京都で経験を積み、2級で受けた方が面接としては受かりやすいでしょうか

ということだったんですけども。

結論から申し上げますと、私は1級職と2級職ですね、他の条件が一定であれば、1級職の方が戦いやすいと思います。
つまり1級職を受ける方が合格の可能性は高いんじゃないかなというふうに思います。

いくつか理由あるんですけれども、まず一点目は倍率というところですね。
これは質問者さん自身がこの質問文の中に書いてくださっていることでもあるんですけれども、1級職と2級職ですね、特別区の公式ホームページに書いてある試験の実施状況、どの年を見たとしても、1級職の方が倍率が低い。
2級職の方が明らかに倍率が高いんですよね。

もちろん倍率だけで入りやすいのか・入りにくいのかっていうのを議論することはかなり暴論ではあります。
けれども、他の条件が一定の場合には、やはり倍率が低いところを狙っていく方が妥当なのではないか、合格の可能性は高いのではないかと考えるのは自然なことではないかと思います。

ですので、そういった観点からは、まず1級職の方が好ましいのではないかというふうに私自身は思っています。
で、それ以外にもですね、ちょっとそういった数字だったりとか、そこでは出てきにくいようなことをお話していこうと思うんですけれども。

まず、概してですね、1級職の受験生の皆さんというのは、平均的にはですよ、あくまで平均的な話をさせていただくと、ゆるっと受けてる人も結構いらっしゃるんですよね。
つまり、年齢要件を満たしていて、なんとなく公務員に転職してみたいと。

専門試験もないし一丁受けてみるか!
ということで、結構軽い気持ち、ライトな気持ちで1級職を受けている方々も多いんですよ。

今っぽい表現で言ってしまいますと、ガチ勢がそこまで多いわけではないんですよね。
もちろん中にはね、私たちの会社を使ってくださっているようなガチ勢の方々ってのもいるんですよ。

でも平均的には、割とフワッと受けてらっしゃる方が多いのも、1級職に関しては事実かなというふうに思っております。
ところがですね、2級職に関しましては、私が指導してきた範囲で申し上げますと、かなりモチベーションの高い方々、本気度の高い方々、ガチ勢が多いなっていうのが正直な印象です。

どうしてか。
いろいろ理由はあると思うんですけれども、まず平均的なことを申し上げますと、1級職を受ける方々よりも2級職を受ける方々って、年齢が上の方が多いんですよ。

で、年齢が上に行けば行くほど、例えば転職をしますって言ったときに、当たり前ですけど、いろんな覚悟が必要になってきますよね。
人によっては既に家族がいるんですって言う人もいるでしょうし、場合によっては転居を伴わなきゃいけないようなケースだってあるじゃないですか。

そうなったときに、1級職をお受けになってる方々、大半の方々はね、独身・単身者でらっしゃるので、例えば職場が変わったとしても、転居するにしても、パンと変更していくことができるんですけれども、やっぱり2級職をお受けになっているような方々だと、そういうのも結構覚悟が必要になってくるじゃないですか。
で、その覚悟を踏まえた上で受験をしてらっしゃる方が多いんですよね。

ですから面接だったりとか、いろんなやりとりをしてても、2級職を受けている方々っていうのは明らかに1級職を受けてる方々よりもモチベーションが高い。
本気だなっていう印象を受ける方がすごく多いです。

ですので、単純に倍率という観点だけではなくて、受けている方々のモチベーションだったりとか、本気度、そういうものも2級職は結構ガチだなっていう感じがいたします。
この観点から申し上げますと、そういうガチ勢が多い2級職よりも、割とライト目に受けている方々の方が多い級職のほうが戦いやすさは残るのかなというふうに思いますね。

リーダー・マネジメント経験

なるほどなるほど。
じゃあ倍率も1級職のほうが低くて、かつ熱意だったりとか、モチベーションの観点からも1級職のほうが戦いやすいんだねと。

でも、まだ決めきれないんです…っていう場合に、基準として、もう一点申し上げたいことがあります。
それは何かと申しますと、質問者さんだったりとか、あるいはこれを見てくださってる皆さん方に、リーダーとしての経験だったりとか、ちっちゃいものでもいいのでマネジメントの経験があるかどうかっていうのを、判断基準にしてみていただきたいなというふうに思ってます。

どういうことかと申しますと、1級職はどういう仕事なのかっていうと、係員としての業務、これをすることになるんですね。
2級職は係員ではなくて、主任業務という形になって参ります。

で、どういう違いがあるのかっていったときに、主任のほうがちょっとだけ係員よりも大きめの仕事をやることになったりするんですよ。
人にもよりますけれども、ちっちゃめのプロジェクトを任されたりだったりとか、そういうことがあったりするんです。

ということは、そこではリーダー経験だったりとか、マネジメントの経験があるかどうかっていうところ、これとっても大事になってきそうですよね。
実際2級職をお受けになっている方々って、民間企業だったら、例えばリーダーやったことありますだったりとか、ちっちゃめのプロジェクトを担当したことがありますっていうマネジメント経験のある方が結構多いんですよね。

ですので、例えば質問者さんが、そういうリーダー経験だったりとか、マネジメントの経験ですよね、こういうものがありますっていうことであれば、それは2級職も検討してみていいと思います。
ですけれども、自分はちょっとそういう経験はないんですという場合には、私は1級職のほうが、適性としてはふさわしいように思いますし、あとは面接に入ってから妙に詰められたりすることもないんじゃないかなっていうふうに感じますね。

ということで、倍率が1級職のほうが低いし、あとはライトに受けている人たちが多いので、1級職のほうが戦いやすいんじゃないか。
そして、それでも迷った場合には、自分自身、リーダーとしての経験だったりとか、マネジメントの経験ですよね、こういうのがあるかないかっていうところで判断してみるといいんじゃないかということを申し上げました。

特別区への出戻り

最後にですね、こういうご質問がありましたね。

以前勤めていた区は、さすがに採用していただけないと思うので、別の区狙いで受けてみようかと思っているんですが、完全に自己都合のこのような場合でも受かる可能性はあるでしょうか

ということですよね。

つまり、以前特別区、おそらくⅠ類ですかね、これでお入りになって、都庁に転職して、今度は経験者採用で特別区を受けていこうっていうことなので、こういう出戻りが現実的に可能なのかどうかっていうところですね。
で、結論から申し上げますと、質問者さんがどうかっていうところまでは、確定的なことは申し上げられませんけれども、ただ私は実例を存じ上げております。

Ⅰ類で働いていて、その後辞めて民間企業に行ったと。
でも、やっぱり特別経験者採用で戻りたいっていう形で、実際に入った方を存じ上げております。

どこの区の人とか、細かいことを言ってしまうと、相当身バレの危険性が高いので、あんまり細かいことは申し上げられませんけれども…
ですので質問者さんが、今年、あるいは来年かもしれないですけれども、受けたときに合格可能性がないのかっていうと、決してそんなことはないんじゃないかなというふうに私自身は思います。

ただですね、この方に関して申し上げますと、やっぱり人事委員会面接と区面接のところですね。
ここでは結構詰められたそうです。

ですので質問者さんが筆記を通過して、人事委員会面接に行ったとき、多分面接ではそのあたりのことを結構細かく聞かれると思います。
仮に圧迫されたり、論理で淡々と詰められたときにも、きっちり切り返しができるように、面接対策は密にやっておいたほうがいいと思いますし、可能な限り筆記試験でもハイスコア、つまり職務経験論文と課題式論文ですよね。

ここで高得点を取れるようなトレーニングは必要になってくるかなというふうに思います。
ただ、1級職か2級職に関しては、まだもう少しだけ悩む時間もあると思いますので、今回の話を参考にしながら、もう少し意思決定を待ってみてもいいのかなというふうに個人的には思います。

それではまた次回のお悩み相談でお会いしましょう。
ありがとうございました。

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この記事の筆者
筒井夢人

社会人採用専門予備校Gravity講師┃元TAC講師┃元公務員┃特別区経験者採用(15位合格・新宿区内定)他多数の合格経験┃このサイトでは特別区経験者採用の対策について発信しています。

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