【特別区経験者採用】希望区の選び方|人気区・不人気区や採用人数で決める?|2024年版

今回は、特別区経験者採用 希望区の選び方というテーマでお届けしたいと思います。

というのは、いよいよ少しずつ少しずつ、特別区経験者採用の今年度の申込みが近づいてきたわけですけれども。皆さん方もご存知の方多いと思うんですが、特別区経験者採用においては申込みのタイミングで自分が入りたいと思う区、いわゆる「希望区」3つを選択しなくてはなりません。

ですが、今年初めて受ける方からすると、どの区を選べばいいのかな?とか、選び方として基本的な考え方ってどういうものがあるんだろう?とか。色々悩むところもあると思うんですね。

ですので、今回は初見の方ですね。特別区経験者採用を今年初めて受けるという方に向けて、経験者採用における希望区の選び方について私どもの考え方をご案内していきたいと思います。

採用人数で?

まずは、初学の方にありがちな希望区の選び方についてご案内します。1つ目が、採用人数で選ぶというものです。

この撮影をしている時点においては、まだ特別区の各区・組合が何名募集しているのかというのは公表されていないわけですけれども。

おそらく多くの方が直感的に「採用人数が多いところは入りやすくて、採用人数が少ないところは入りにくい」こういう風にお考えになるんじゃないかと思うんですね。これを見ている皆さん方にあっても、確かにそういうのはありそうだなとお感じになろうかと思います。

しかし、この考え方は私は妥当ではないと考えます。どうしてかというと、例えば今皆さん方は「採用人数が多い区というのはなんとなく入りやすそうだな」という直感を抱いてるわけですよね。

このときに考えてみてほしいのが、他のプレイヤーたちはどのように考えるでしょうか?これ、どう考えたって皆さん方と同じような直感を抱いているに違いありませんよね。

すなわち、皆さん方が採用人数が多い区だと入りやすいんだろうなと考えてるのとまったく同様のことを、他の受験生も考えるのではないだろうか。こういう風に考えるほうが明らかに合理的だと思います。

だとすると、今の理屈から明らかなんですけれども。採用人数が多い区というのはその採用人数の多さゆえに、かなり多くの受験生がそこを希望してくるんじゃないか?こういう風に考えることができそうですよね。

だとすると、たとえ採用人数が多くても、多くの受験生がそこを希望していくということになれば、入りやすそうだぞ!ということは必ずしも言えなくなりそうな感じがしますよね。

これは逆もまた然りでありまして。例えば採用人数が少ない区。直感的には皆さん方、ちょっと入りにくいんじゃないか?と感じると思うんですね。でも、だとすると他の受験生もおそらく同じことを考えるはずなんですよ。

すなわち、「採用人数が少ないってことはやっぱ入りにくいんだろうな」こう考えるはずですよね。だとすると、採用人数が少ない区というのはその採用人数の少なさゆえに、ちょっとやめておこうかなと考える人が多いので、敬遠された結果としてそこまで入りにくいわけではないぞ。こういう話になってきますよね。

ということでもありますので、結局のところは、自分だけじゃなくて他のプレイヤーも同様の直感を抱いてそのように行動するという仮定を置くと、採用人数の多い区が一概に入りやすいとか、採用人数が少ないから入りにくいとか、こういった理屈は成り立たないように私には思われます。

したがいまして、少なくとも私自身は、採用人数の多寡でどの区を選ぶかというのはあまり妥当な考え方ではないと思います。

なお、この点については奥田先生も公式HPで言及しておりますので、併せてお読みください。

人気区・不人気区で?

ということで、採用人数で選ぶというのは妥当ではないんじゃないかという話を申し上げたわけですけれども。それ以外の考え方としてもう1つあり得るのが、人気区・不人気区で選ぶというものです。

すなわち、「どうもこのあたりの区は人気そうだからちょっとやめておこう」とか「ここは不人気だから入りやすいんじゃないか」ということでそこを選んでいくとか。そういった考え方は直感的にはあり得そうな感じがしますよね。

ですけれども、この点についても私見を申し述べますと、人気区だからとか不人気区だからとか、そういった理由で希望を選ぶのはあまり推奨していません。

どうしてかというと、まず先ほどの話には、実は気づかないうちにある重大な仮定が置かれています。それは何かと申しますと、「”人気区・不人気区”なるものが現に存在している」こういう仮定が置かれていますよね。

すなわち、現に人気だとか不人気だとかそういったものが存在していて、それに基づいて人々が選択行動するという理屈でしたよね、先ほどの話っていうのは。

だとすると、前提として「人気区・不人気区がある」という話に基づいているわけですけれども。じゃあそもそもそれは存在してるんですか?という話ですね。

この点について、特別区経験者採用に関して専門的に指導しているGravityの知見に基づいて話をしますと、少なくとも特別区の「経験者採用」に限って申し上げるのであれば、いわゆる人気区・不人気区というものは基本的には存在しません。

すなわち、毎年ここの区はブチ抜きで人気ですね!とか、ここの区まったく人気ありませんね!とか、そういったことは少なくとも経験者採用においてはございません。

毎年Gravityにおいては大勢の受講生がいらっしゃいますので、その方々がどういった区を希望しているのか?という情報について統計データが存在しているわけですね。

それを実際に見てみましても、この区が人気だとかこの区が不人気だというのは、傾向としてはあまり確認できないんですよ。少なくとも一貫した傾向というのは存在していない。

じゃあどうして人気区・不人気区といったものが存在しないのか?という話になってくるわけですけれども。ここについてちょっと補足的にご案内しておきましょう。

まず、特別区経験者採用では人気区とか不人気区とかは観測できないんですけれども、Ⅰ類のほうですね。いわゆる大卒程度試験とでも申しましょうか。主に大学を卒業する新卒の方々を中心にした採用試験、Ⅰ類採用というのを特別区は別枠で実施していますね。

こちらに関して、私以前の予備校に勤めていたときに指導していたので分かるんですけれども。Ⅰ類に関しては、確かに人気区とか不人気区とか、いわゆる安定したトレンドは存在しているように思います。

どうしてそういう違いが生まれるのか?ということを考えてみたときに、私は2つくらい理由があるんじゃないかと思うんですね。

1つ目の仮説が、若者のほうが我々よりもイメージ先行で意思決定を下しやすいからというものです。

ぜひこれを見ている皆さん方も、ご自身の若かりし頃を振り返ってみてほしいんですけども。やっぱり若者のほうが「イメージ」「雰囲気」こういったもので意思決定を下しがちですよね。

自分自身を振り返ってみてもそうだなと思うんですけれども。やっぱり人生経験があまり豊富でない若者であればあるほど、イメージとかそういったふわふわしたものに引っ張られて意思決定しがちだなと私自身は感じています。

ですので、23区の中でもいわゆるキラキラした区とかあるじゃないですか。そういったところをイイなぁと思ってイメージ先行でバッと選んでいく、みたいな。

そうすると結局、キラキラした区にバッと人が集まってそこが人気区となっていくとか。そういったことはやっぱり傾向としてはあったなと、以前の予備校でデータを集めていたときにすごく感じていました。これが1つ目ですね。

2つ目が、生活拠点を変えられないからというものです。これを見ている皆さん方の多くが、すでに社会人として働いているとか、すでにご家庭があるという方もいるかもしれませんね。

そんな皆さんが今、仮に足立区に住んでいると仮定をしましょう。で、特別区経験採用を受けるにあたって色々な区を見てみました、と。そのときに皆さんが、大田区いいなと考えたとするじゃないですか。例えばの話ですよ。

でもこのときに、足立区に住んでいて家庭があって大田区を受ける。かなりこれしんどいですよね。どうしてかというと、通うのめちゃめちゃしんどいじゃないですか。東京の東と西で、もう全然位置が反対にあるわけじゃないですか。ということになってくると、ちょっと通うのしんどいよな、と。

じゃあそのときに、例えばですけれども独身とか大学生とか、そういったことだったら変な話ですけれども、大田区に引っ越せばいいじゃんという話になりますよね。

しかし、皆さん方が社会人として働いていて特にご家庭があるということになると、そうは問屋が絶対一個も卸しませんよね。

例えば、自分のパートナーが足立区近辺で働いてるということだったら、大田区に引っ越すのはかなりしんどいですよね。あるいはお子さんがいるということだったら、足立区の保育園とかそういったところにお子さんが通ってるかもしれない。となると、大田区に引っ越すのなんてなおさら難しいぜっていう話になりますよね。

ですから、社会人の方々やご家庭がある方々は生活実態があるので、そこから遠いところを選んでいくということが原理的に結構難しいんですよね。

でも、学生の場合はそうじゃないですよね。例えばですけれども、大田区で働きたいなと思ったらその近くにピュンと引っ越すことができるわけですよ。でも、社会人でご家庭のある方が経験者採用の場合にはかなり多いので、そういった意思決定は下せないわけですね。

そうなりますと、色々な人が色々なところに住んでいて、イメージではなくて「今現在の生活実態があるところから現実的に通いやすいところを選んでいこう」こういう形になってきそうですよね。

ということになってくると、色々な人が色々なところに住んでいるわけですから、当たり前ですけれども、わりと満遍なく皆さん23区の色々なところを選んでいきそうだなというのは伝わるんじゃないでしょうか。

ということで、結果としてⅠ類の人たちと比較したときに、人気区とか不人気区とかそういったものが出にくくなるのではないかというのが私自身の仮説であります。

したがいまして、繰り返しになりますけれども、そもそも人気区・不人気区といったものが経験者採用の場合には存在しないと考えられるので、それに基づいて選んでいこうという考え方自体が成り立たないのではないかというのが私の意見であります。

オススメの選び方

ということで、ここまでの話、なんとなくご理解いただけたでしょうか。すなわち、採用人数の多寡で選ぶとか人気区・不人気区から選ぶとか、こういった考え方はあまりオススメできないという話だったわけですけれども。

となりますと、じゃあどうやって選んだらいいのよ?という話になってきますよね。私は常に思っているのは、自分が本当に入りたい区、純粋にここで働いてみたいなと思える区を選ぶのが一番いいと思います。

ですけれども、もし皆さん方が現状でそういうのがない場合どうしたらいいのか?そのときに参考になる考え方として、毎年している話がございますのでご案内していきたいと思います。

私はですね、特に入りたい区がないという場合には、なぜその区を選んだのか「理由が話しやすい区」を選ぶのがいいんじゃないかなと思います。

すなわち、皆さん方は特別区の人事委員会面接、そして区面接と言われるもの、どこにおいても「なぜこの区を選んだのか?」と選定の理由について話す必要が出てまいります。それを見据えたときには、その理由を説明しやすいところ・話しやすいところを選んでいくというのは1つの考え方としてアリな感じがしますよね。

じゃあ話しやすいってどういうことですか?ということなんですけども。ここについてもうちょっとだけ具体的な話を突っ込んでしますと、ここで皆さん方には2つの考え方(方向性)を意識してほしいと思います。

まず1つ目は何かと申しますと、「感情」というところですね。平たく言いますと、自分がそこをなんとなく好きだと思うとか、なんとなくがあるとか馴染みがあるとか。そういったところを選んでいくというのがアリなんじゃないでしょうか。

例えばですけれども、社会人である皆さんだったら自分が働いたことのある区とか、あるいはよく足を運ぶ区とか友達がたくさんいる区とか、何でも結構なんですけれども。

なんとなく他の区と比べたときに、自分との情緒的なつながりですよね。あぁイイなって思える区がやっぱりあると思うんですよ。そういったところを素朴に選ぶのが1つの考え方ですよね。

私自身が希望区を選定するにあたっては、この「感情」というのを大事にしていました。例えば私の場合には、第1希望区が新宿、第2希望区が千代田区だったんですけれども。新宿区は大学院生時代に住んでたんですよね。なので、当然馴染みがあるじゃんということで新宿を選びました。

第2希望区の千代田区は、ここも当時新宿に住んでいたとき、千代田区に足を運ぶ機会がものすごくたくさんあったんですよ。なんとなく自分にとって馴染みが感じられるところだったんですね。実際に面接でもそういう話をしていました。そういった理由って自分にとって話しやすいですよね。

ということでもありますので、1つの切り口としては感情的なところですよね。愛着があるとか馴染みがあるとか縁があるとか、そういったところで選んでみるのが一案かなと思います。

そして、2つ目は「論理」ですね。もうちょっと噛み砕いて話しますと、皆さん方が携わりたいと思ってる分野とか携わってみたいと思うような取組、こういったところに注力しているところを選ぶのが1つじゃないでしょうか。

例えば私自身は、特別区に入庁したら教育とか多文化共生に従事したいなって思ってたんですよ。新宿区は外国人住民比率がすごく高いですし、先ほどお話ししたように私は感情的なつながりもありましたので、新宿で多文化共生に従事したいということで新宿を選びました。これも1つの理由ですね。

で、私は第3希望区が足立区だったんですよ。足立区は、これ今もそうだなって思うんですけれども、教育分野にすごく力を入れてるんですよね。ですので、足立区の教育に関する取組がすごくイイなと思ってました。理屈からいってそういった分野私は大事だと思ってるし、自分がまさに携わりたいと思っている。足立区はそれに力を入れてるので選びました、みたいな。

これは、私自身は「理屈」や「論理」と言ってるんですけれども。このような形で選ぶのが一案かなと思います。

ということで、まとめますと「感情」と「論理」ですよね。感情的にイイなって思えるところ、あるいは論理とか取組の部分でイイなと思うものをやってるところ。そういったところを選んでいくというのが、1つの考え方としてあるんじゃないかなと思います。

ですので、ぜひ皆さん方もそういった基準、これがすべてではないと思いますけれども、1つの考え方として感情と論理という観点を大事にしてみていただけたらと思います。

区面接まで見据えよう

ということで、皆さん方にはここまで希望区の選び方について、様々な考え方をご案内してきたわけですけれども。ぜひ皆さん方にあっては、区面接まで見据えた希望区選びをしてほしいと思います。

これまでの動画でも再三再四、ご案内してきましたけれども。2022年から特別区経験者採用においては、区面接で落ちる・採用漏れという事態が頻発しています。

これを考えたときには、どの区を選んでいくのかが非常に重要になってきますよね。

すなわち、適当な理由でどこかの区を選んでしまうということになると、区面接に入ってからどうしてうちの区なんですか?ということを聞かれたときに、うまく説明することができなくなってしまいますよね。

あるいは「なんとなくこの理由じゃちょっと相手を説得できないんじゃないかな…」みたいな、自分自身すら説得できないような理由で希望区を選んでしまうと、面接に入ったときになんとなくそういった雰囲気が私は出てしまうんじゃないかと思っています。

ですので、区面接で勝つまでが勝負なんだということを考えますと、なぜその区を選んだのか?どのような理由で選んだのか?説得的に語れるかどうかは非常に重要なポイントになります。

何よりも、皆さん方お一人おひとりにとって、どの区で働くことになるのかというのは人生上における非常に重要なことではないかと思います。ですので、今回の動画の内容を参考にしながら、自分自身納得のいく希望区選びをしてほしいと思っています。

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この記事の筆者
筒井夢人

【最多合格】のGravity┃社会人採用専門予備校Gravity講師┃元TAC講師┃元公務員┃特別区経験者採用(15位合格・新宿区内定)他多数の合格経験┃このサイトでは特別区経験者採用の対策について発信しています。

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