【特別区経験者採用】難易度を本音で語ろう

【相談内容】

民間企業に勤めていますが、特別区への転職を考えています(経験者採用1級職)。

そこで色々と調べてみると、特別区は横浜市やさいたま市よりも倍率が低いことを知りました。

これは特別区の難易度が比較的低いことを意味するのでしょうか?先生の考えをお聞かせください。

【はじめに】

結論から申し上げますと、「横浜市やさいたま市、こういった他の自治体と比較したときに特別区経験者採用の倍率が低い=難易度も低い」と考えることは妥当ではないと私は考えます。

そう考える理由について、以下に述べたいと思います。

それでは早速参りましょう。

なお、下記のYouTube動画でも解説を行っているので、併せてご視聴ください。

倍率=難易度ではない

どういうことかを説明するために、ここでは公務員試験ではなく大学受験を例にご案内をしてみたいと思います。

ここで例に挙げるのは東京大学であります。皆さん方も名前を知らない人はいないと思いますけれども、東京大学の倍率、どのぐらいかご存知ですか?

もちろん学部にもよるんですけれども、だいたいどのぐらいかっていうと、3倍ぐらいなんですよ。
≫大学受験パスナビ

で、この3倍っていう数値、もっと高い倍率の大学はたくさんありますよね?私立大学でも国公立大学でも、学部にもよるでしょうけれども、東京大学の3倍よりももっと高いところはいくらでもあります

でもですよ?例えば質問者さん、このときに「東京大学は、他の私大や国公立大学よりも入りやすいのか!」とは絶対に考えないですよね?

どうしてかっていうと、当たり前ですけれども「受けに来てる人たちの層がそもそも違うからじゃないか」と考えられるからです。

ということで、難易度の比較をするときに、倍率は参考指標としてとても重要ですけれども、倍率をそのまま難易度と紐づけてしまうのは、受験においては妥当ではないと言えるでしょう。

覚悟して来てる人

なるほど、倍率=難易度ではないことはよくわかったと。じゃあ、そもそも特別経験者採用試験はどういう人が受けに来ているんだ?というお話になるわけですが。

一言で申し上げるのであれば、『覚悟してきてる人』たちなんですよね。

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『ジョジョの奇妙な冒険』荒木飛呂彦/集英社

どういうことかと申しますと、特別経験者採用試験では、課題式論文と職務経験論文、2本も論文を書かなくてはいけない。

しかも、1次試験の合否は論文だけで決まってくる。ということで、論文がものすごく重要な組織であることをわかったうえで、覚悟のうえで受験をしている人たちなわけです。

例えば、それ以外の組織の場合であっても、もちろん論文を書かされることはあります。ですけれども、特別区のように「論文だけで1次の合否が決まる」組織は他にありません。

となると、論文がめちゃくちゃ重要なのが特徴であることを皆よくわかってると。そうなってくると、当たり前ですけれども、論文のトレーニングを徹底的にやらなくてはいけないことを全ての受験生が理解してるわけですよ。

そして、そこで勝たなくてはいけない。それを覚悟のうえで受けているということは、論文について相当の猛者たちが受験してくると考えられますよね?

つまり、論文について徹底的にトレーニングを積んできたモサモサの猛者。そういう人たちが特別区を受験しているわけです。

となると、例え横浜市やさいたま市よりも倍率が低かったとしても、受験生の戦闘力は非常に高いと考えられます(少なくとも論文に関しては)。

これはドラゴンボールを例にご案内をするのであれば、要は天下一武道会とセルゲームの違いなんですよね。皆さんご存知だと思いますけれども(知らなかったらごめんなさい)、天下一武道会とセルゲーム。比べたときに、天下一武道会のほうが参加人数は多いわけですよね。

じゃあセルゲームのほうが戦いが楽なのかといえば、どう考えてもそんなことはないですよね?だって、セルゲームに参加しているのは人造人間とサイヤ人だけですよ?!

つまり、めちゃめちゃ強い連中同士で戦うのがセルゲームであると。となると、ここで勝ち抜くには相当なトレーニングが必要になりそうじゃありませんか?

以上の話からも明らかなように、参戦人数が少ない、あるいは倍率が低いからといって、特別区のほうが難易度が低いと考えることは決してできない。むしろ、論文についての重要性を把握したうえで、それでもなおトレーニングを重ねようとする猛者たちが集まっているのが特別経験者採用試験である。

そのようにご理解いただければと思います。

自分の「歩く道」は…

これまでの内容を踏まえつつ、私なりの意見を最後に申し上げたいと思います。

私自身はこれまでの内容からも明らかなように、特別区経験者採用試験について、その難易度が低いとは全く考えておりません。むしろ、数ある経験者採用試験の中でも屈指の難易度だと考えております。

一方で、これを見てくださってる皆さん方の中には、他の予備校や組織、あるいは個人が

「特別経験者採用試験はとっても簡単です!」
「易しい試験だからすぐ受かります!」
「穴場です!」

と言っているのを聞いたことが少なからずあると思います。しかし、私はあえて伺ってみたい。

どうしてそう言っている当の本人たちが、特別区経験者採用試験についての商品やサービスを提供しているんですか?もし本当に簡単なのであれば、そもそもそういった商品やサービス自体が要らないじゃありませんか。

ですが、私たちの考えはそれとは全く異なっております。

我々はハッキリと申し上げます。特別区経験者採用試験の難易度は低くありません。だからこそ我々のサポートが必要だろうということで、様々な商品やサービスを皆さん方に提供しているわけです。

私たちGravityは、「特別区の経験者採用試験は簡単だから、どんどん挑んでいきましょう!」とは口が裂けても申しません。なぜかといえば私、そしてGravityの代表である奥田先生自身が、元受験生として、合格者として、身をもってその難易度を体感しているからであります。

もしかしたらこれを見てくださってる皆さん方の中には

「ちょっと頑張れば受かるのかな…」
「難易度すごく低いって聞くし…!」

という考えの方もいるかもしれませんが、私はその考え方は妥当ではないと思います。

ですので、もしも皆さん方の覚悟が決まりきっていない状況なのであれば、特別区の合格を勝ち取るのはかなり難しいと思います。

したがいまして、それでもなお特別区経験者採用試験に時間とお金と努力を注ぎ込もうと思えるかどうか。それでもなお受験する覚悟があるのかどうか、今一度自分自身に問い直してみていただきたい、そのように思っております。

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『ジョジョの奇妙な冒険』荒木飛呂彦/集英社

今回はかなり厳しめの内容だったと思います。しかし、本当は難しいものを簡単だと偽り、皆さん方を受験に引き込むのは、明らかに社会正義に反すると思いますので、あえて本音で辛口なことを申し上げました。

ですが、仮に皆さん方の覚悟が本物である場合には、ぜひ遠慮なく相談していただければと思います。それでは、また次回以降のお悩み相談でお会いしましょう。

ありがとうございました。

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この記事の筆者
筒井夢人

【最多合格】のGravity┃社会人採用専門予備校Gravity講師┃元TAC講師┃元公務員┃特別区経験者採用(15位合格・新宿区内定)他多数の合格経験┃このサイトでは特別区経験者採用の対策について発信しています。

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