【特別区経験者採用】希望区の選び方

【相談内容】

筒井先生、初めてご連絡差し上げます。
特別区経験者採用を受験予定です。
いつも拝聴しております動画が大変参考になります、ありがとうございます。
早速ですが質問させていただきたことがございます。
私は以前、派遣にて働いていた区があります。
そこの職員の方々は大変よくしてくださり経験者採用の存在を教えて下さったのもその区の職員の皆さんでしたので、この区を第一志望に考えております。
しかし、ある政策分野の進め方にとても共感できる点、個人的なパワースポットだと感じ大好きなエリアである点から、別の区にも関心が高まっており、第一志望の区をどこにするかで思いあぐねっております。
ちなみに、第三志望は地元の区を考えております。
やはりこういったケースの場合、人事委員会面接では勤務経験のある区を第一志望にしない点に疑問を持たれるでしょうか。
また、地元の区が第三希望の点もしかりでしょうか。
ご多忙の折に大変恐縮ですが、可能でしたらご回答いただけると幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
【はじめに】

なるほど。

希望区に関しましては、おそらく相当多くの方が悩んでらっしゃると思うんですね。

ですので、この質問者さんの質問を参考にしながら私なりの見解を述べてみたいと思います。

なお、下記のYouTube動画でも解説を行っているので、併せてご視聴ください。

わたしなら働いていた区

まずですけれども、質問者さんは今、働いていたことのある区と、あとは自分なりに政策だったりとかがいいなと思ってる区があると。

で、どっちを第一志望にしようというところで悩んでらっしゃると。
まず結論からなんですけれども、私であればですね、希望区、第一志望にするのは、働いていたことのある区、こちらを選ぶかなというふうに思います。

なんでなのっていうところ、今から説明していきたいと思います。
で、希望区を選ぶっていうときに基準となるもの、いろんなものがあると思うんですけれども、大きな枠で言いますと、二つのものがあるんじゃないかなと思うんですね。

何かと申しますと、それは愛着と論理の二つであります。
で、愛着って何だよという話からなんですけども。

これ質問者さん、質問文の中にこういう言及がありますよね。
ちょっと読み上げたいと思うんですけれども。

そこの職員の方々は大変良くしてくださり、経験者採用の存在を教えてくださったのもその区の職員の皆さんでしたので、この区を第一志望に考えております。

つまりですね、そこで働いていたことがあって、職員の方々、非常によくしてくださった、ハートフル。
で、働いていたことがあるから、なんとなくそこにも愛着だったりとかがありますよと、そういうお話だと思うんですね。

これがいわゆる愛着であったりとか、馴染みだったりとか、そういう形の理由、一つ目のものですね。
二つ目の論理ってのは何かと申しますと、これ、この続きのところにこういうふうに記述がありましたよね。

ちょっとこれも読み上げたいと思うんですけど。

しかし、ある政策分野の進め方にとても共感できる点

こういう理由で他の区もちょっといいなというふうに思っていると、これなんかは政策に質問者さんは惹かれてらっしゃるわけですよね。
こういう形で政策だったりとか、取組だったりとか、事業だったりとか、こういうものを理由にある区を受けていくという場合に、それは論理だったりとか、こういうものを中心にして希望区を選んでいる、そういうふうに主張することができるんじゃないかなというふうに思うんですね。

ということで、愛着と論理っていうのがね、それぞれあるなっていうのはなんとなく感じていただけると思います。
そのうえでね、質問者さんは愛着と論理、どっちでいこうかなっていうふうに悩んでらっしゃると思うんですよね。

で、必ずしもこの愛着と論理っていうのは、対立関係にあるわけではありません。
例えばですけれども、愛着もあって、論理からも、ここがいいなと思うんです、っていうこともあると思います。

でも、どっちかなっていうところで迷ってらっしゃるのであれば、私はギリギリのところでは、愛着っていうところを選んでいくのがいいのかなというふうに思ってまして。
どうしてなのか、ちょっと説明したいと思います。

例えばの話をしましょう。
質問者さんが、ある政策、これに惹かれてある区を選びましたって言ったときに、面接官側が何を考えるかですよね。

つまりね、質問者さん自身は愛着と論理、どっちの観点からもこの区とこの区がいいなって考えてるわけじゃないですか。
だとしたら、合格可能性を考えるときには、面接官側が最後の最後、それをどういうふうに見ていくか、これはとても重要なファクターになってきますよね。
でしょ?

そのときに、ある政策だったりとか取組、この方向性だったりとか、こういうのにタッチしたいと思ってある区を選びましたって、例えば言ったとするじゃないですか。
そのときにね、面接官側が何を考えてしまうのかっていうと、例えばこういうことを考えてしまうんじゃないかなと思うんですね。

それは何かっていうと「その部署に配属されなかったらどうします?」っていうことを、ちょっと考えちゃうと思うんですよね。
というのはね、これは釈迦に説法ですけれども、やっぱり公務員、配属先って自分では選べないじゃないですか。

例えば質問者さんが教育、配属されたい、行きたい、タッチしたい、そういうふうに思っていたとしても、そこに配属されるとは限らないですよね。
でしょ?

そうなったときに、例えばある政策分野だったりとか、ある取組、それだけを理由にここを選びましたっていうことになっちゃうと、大丈夫かな?他のとこに配属になったときに耐えられるかな?っていうふうに、やっぱり多少は考えると思うんですよ。
ほんのちょっとかもしれないけど。

でもね、例えば愛着ゆえにこの区を選んだんですっていう人が居たととするじゃないですか。
そのときに面接官側はそういう不安を抱く必要がなくなると思うんですよね。

なんでかっていうと、愛着でこの区を選びましたっていう人だって、この分野に興味があって、ってのはあると思うんですよ。
でね、例えばその人が希望部署に配属されなかったとするじゃないですか。

だとしても、この人はおそらくその他の部署で頑張って仕事をしてくれるんじゃないかなと、少なくとも面接官が考えるはずです。
なんでかっていうと、希望部署だったりとか、ある分野にタッチしたくて、その区を選んだんじゃなくて、愛着ゆえに選んだんですっていう場合って、例え希望部署じゃなかったとしても、きっと頑張ってくれるだろうな、だってこの区のことが好きなんだもんね、愛着があるんだもんねっていうふうに、きっと考えてくれるんじゃないかなって私は思うんですよね。

ということで、合格可能性という観点からは、私は愛着と論理で迷ったのであれば、愛着を優先して区を選んでいくっていうのが、面接突破のためには大事になってくるのかなと思いますね。
もちろん、あくまでギリギリのところではの話になりますけどね。

なお、希望区選びについてはGravity講師の森田りさ先生が非常に優れた記事を書いてらっしゃいますので、下記のリンクから一読することを推奨いたします。

体験談

じゃあ、お前はどうしたんだと。
もちろんですけれども、私も特別経験者採用試験を受けたときに、希望三区を申し込み書の段階で書きました。

これ先んじて申し上げておくと、私は第一が新宿区、第二が千代田区、第三が足立区だったんですよ。
何でそうしたんですかと言ったときに、まさに私はこの愛着と論理っていうところから、この三区を選びました。

どういうことだよって言ったときに、まず第一の新宿区ですよね。
これはですね、私大学時代に新宿区に住んでたんですよ。

通ってた大学院も新宿区にありまして、そういうこともあって、やっぱりね素朴な馴染みだったりとか愛着、そういうものが新宿区に対してありました。
なので新宿区、第一だなって感じで選んだんですよ。

で、第二の千代田区ですよね。
なんで千代田区を選んだんですかって言ったときに、これちょっと大学院関連の話になっちゃうんですけれども。

大学院生って、学部生の皆さん方が考えてらっしゃる以上に、めちゃくちゃ本を読むんですよ。
で、そのときにね、図書館にあるやつを借りたり、場合によっては生協に行って、生協に置いてある本を買ったりとかっていう感じなんですけども。

中にはですね、目当ての本が大学の中になかったりっていうことも、あったりなかったりするんですよ。
そういうときにどうしてたのかっていうと、千代田区の大手町っていうところがあるじゃないですか。

そこにですね、丸の内オアゾっていうオフィスビルがありまして。
そこにですね、丸善さんが入ってるんですよ。

あれ、おそらくですけれども都内で最大規模なんじゃないかなと思うんですが、ものすごく大きいんですよね。
経済学の本、もちろんガーッと並んでますし、上の階に行くとですね、洋書ですね。

経済学の英語の本だったりとかが沢山並んでる、みたいな。
結構そこに行ってたんですよ。

週1とか、そのぐらいですかね。
気分転換も込み込みでね。

で、本買うじゃないですか。
その後ね、丸の内オアゾって、皇居がすぐ近くなんですよ。

なので皇居のあたり、私散歩が好きなので、皇居ランではないんですけども、皇居ウォークとでも申しましょうか。
散歩したりして、リラックスするのが日課みたいなものだったんですよ。

ってことで、素朴な馴染みだったりとかから、千代田区いいなって思ってたので選びました。
なめてんのかって思われそうなんですけれども、愛着ってそういうもんじゃないですか?
でしょ?

でね、ここまでは新宿区も千代田区も、愛着とか馴染みっていうところに依拠しているわけですけれども。
じゃあ、第三の足立区ですよね。

これなんで選んだのって言ったときに、これはまさに論理で選んだんですよ。
どういうことかと申しますとね、これも大学院の話になっちゃって恐縮なんですけれども、私、大学院で経済学を専攻しておりまして、中でも特別に勉強していたのが教育経済学という分野なんです。

教育政策だったりとかについて、データを使いながらいろいろ分析していきますみたいな、フワッと説明するとそんな感じの分野を勉強してたんですね。
で、ですね、足立区は23区の中でも、教育政策をデータに基づいてやっていこうっていう、こういう気風みたいなものがありまして。

実際、例えば小中学校だったりとかの補習教育ですよね。
これに関してのデータセットを足立区がオリジナルで作りあげて、それを大学や大学の研究者と協力して、この効果測定をやってるんですよ。

当時から私、そういう観点から足立区スゲーなって思ってまして。
そういうのもあったので、自分自身、教育経済学を勉強してきたので、この知見を生かしたいな、掲げてる方向性がいいなというふうに思って、足立区を選びましたっていう。

これが理由なんですよ。
ということで、私自身が愛着と論理で、志望三区を選んだわけですけれども、私自身は愛着を優先していました。

その理由は、既に申し上げたようなところからですね。
ですので、質問者さんや、あるいはこれを見てくださってる方々が、どういう基準で選べば…っていうところで悩んでらっしゃる場合には、合格可能性という観点からは愛着をベースにしていくのがいいのかな、というふうに思ってます。

地元が第3希望区

で、あと最後に質問文にこういう文章がありましたよね。
これもちょっと読みたいと思うんですけども。

地元の区が第三希望の点も疑問をもたれるでしょうか。

こういう記述がありましたね。
ここに関して、最後に申し上げようと思うんですけれども。

結論から申し上げますと、地元が第三希望であったとしても、別にそれはおかしなことではありません。
それ自体で落っちゃうとか、そういうことは絶対にないと思います。

何でなのって言ったときに、様々に理由は挙げられます。
でもね、まず第1のものとしては、これ第三希望って言うと、まるで最下位の区、みたいな印象をもたれる方も多いと思うんですけども、そうじゃないですよね?

どういうことかっていうと、志望先の組織としては23区+各組合がありますよね?
で、その中で三つ目ということは、トップ3なわけじゃないですか。

だとすると、それは決して上位評価をしていないっていうことではなくて、むしろトップ3に入ってるぐらいに地元を評価してるんですっていうことになりますので、別に第三希望だからと言って、おかしなことにはならないんじゃないかなというのが私の意見ですね。
もっと言いますとね、実例として、特別区のある区が地元だったとして、第三期希望に入れている方々も結構大勢いらっしゃいます。
普通にね。

で、どういうことかと申しますと、例えばなんですけれども、特別経験者採用の指導してきた範囲でいうと、結構大勢いらっしゃるのが第一志望には、勤務先ですよね。
例えば勤務先が中野区にあったので、中野区選びました、みたいな。

で、第二希望のところですよね、第二希望はどういう感じで選んだのって言ったら、例えば大学が文京区にあったので、文京区を選びました、みたいな。
で、第三希望は地元が〇〇区なのでここを選びました、みたいな形ですね。

こういう方は普通にいらっしゃいます。
ですから、地元を第一志望にしないとおかしいとか、絶対疑問を抱かれるとか、そういう話にはなりませんので、ここはご安心いただければなというふうに思っております。

地元じゃない場合

で、最後に。
私自身は特別区が地元ではないので、地元の区を選んだってことではないわけですけれども。

ただ、私が市役所を受けたときの話は参考になると思いますので、これをお話をしておきたいと思います。
どういうことかと申しますと、私、地元は新潟県の長岡市っていうところなんですね。

でも、公務員試験を受けていたときには、新潟県内だったりとか、長岡市は受験をしてないんですよ。
じゃあお前はどこを受けたんだって言ったら、これはね、志望動機の動画のところでもお話をしたところでありますけれども、東京の某市役所ですね。

ここを受験しました。
面接に入ってから、当然聞かれましたよ。

筒井さんの地元は新潟ですけど、新潟の市役所とかじゃなくて東京の市役所を受けているのは何か理由はあるんですか?地元じゃないんですか?

みたいな。
当然聞かれますよね。

で、聞かれるだろうなっていうのは当然自分でも思ってました。
そのとき僕はどう言ったのかっていうと、一つ目としてはね、志望動機の動画のところでも話しましたけれども、いわゆる脳内彼女ですよね。

彼女がその市生まれ、その市育ち、悪そうなヤツは大体友達、っていう話はもちろんしました。
でも、それ以外にも話したことがあって。

私、本心から思ってたのが、地元以外のところを受けるほうが、自分自身の成長に繋がるって思ってたんですよね。
なのでそれを言いました。

どういうことかと申しますと、先にも申し上げましたけれども、私は新潟出身なので、大学進学を機に上京してきたわけです。
要は全然知らない土地に来たわけですよね。

でも私、新潟から東京に出て来ることによって、いろんな刺激だったりとか、いろんな人だったりとか、いろんな経験と触れ合うことで成長できたなっていう実感が確実に自分の中にあったんですよ。
でね、仕事をしていくときにも、そういうふうに自分自身が成長できるかどうかっていうのって、とっても大事なことなんじゃないかなと思うんですよね。

もちろん、地元に居続けたら成長できないって話ではないんですよ。
全くそんなふうに思いません。

ですけれども、自分にとって未知の環境、こういうところに挑んでいくことによって、人間が成長していけるっていうのは必ずあると思うんですよ。
で、私は本当にそういうふうに思っていたので、地元じゃなくて、ここの市を選びました、それも一つの理由です、みたいな感じで素直に話しました。

で、結果としてどうだったのかっていうと、きちんと最終合格しております。
ですので、この理由づけが間違っていたわけではないし、少なくとも面接官にはきちんと通じたんじゃないかな、と思ってます。

もちろん、これは一つのサンプルに過ぎません(こう答えれば受かるわけではない)。
ですけれども、地元を選ばなきゃいけないとか、そういう話ではないということは示せたように思ってます。

ですからね、質問者さんとか、これを見てくださっている皆さんが、例えば地元の区を第三志望にしているとか、あるいは第一志望にしてないとしても、なんでなの?って聞かれたときに、こういう理由ですって説明ができるのであれば、全く問題ないと思います。
ということで、今回は希望区云々、これの選定方法だったりとか、基準や考え方、こういうことについてご案内をしてきました。

で、もう希望区は決めてたっていう人もいると思いますし、まだ決めてなかったっていう人もいると思うんですけれども、今回の話を参考にしながら、もう一度希望区について考えてみてもいいのかなと。
そんなふうに思っております。

それではまた次のお悩み相談でお会いしましょう。
ありがとうございました。

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この記事の筆者
筒井夢人

【最多合格】のGravity┃社会人採用専門予備校Gravity講師┃元TAC講師┃元公務員┃特別区経験者採用(15位合格・新宿区内定)他多数の合格経験┃このサイトでは特別区経験者採用の対策について発信しています。

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